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連結送水管の耐圧性能試験


 今回お伺いしたのは、神戸市営地下鉄西神・山手線「県庁前」駅から徒歩4分の「エステムコート神戸・県庁前」です。
こちらで4月30日に行われた連結送水管の耐圧性能試験についてお話を伺いました。


■ 消防隊の消火活動に必須! 連結送水管
火災が起こった際、消防隊が使用する「消火活動上必要な設備」のひとつが「連結送水管」です。
消防隊が本格的な消火活動を行う際、火元の階まで消火用の水を送水するための装置で、外部からの消火活動が困難になる高層建築物、地下街といった場所に設置されています。
 連結送水管を構成するのは、送水口・送水配管・放水口。消防隊は放水口にホースを接続し、ポンプ車から送水口を通じて送った消火用水を用いて火災の消火に当たります。
今回取材した「エステムコート神戸・県庁前」は11階建てになっており、3階以上の各階にひとつずつ放水口が設置されています。

■ 連結送水管の耐圧性能試験
 設置後10年を超えた連結送水管は、今回のように耐圧性能試験を行うことが義務づけされています。この試験で、配管の誤接続、漏水、バルブのゆるみ・離脱・損傷などがないかどうか確認し、火災時の安全な消火活動に備えます。10年を超えて一度試験を終えると、次回からは3年ごとに実施されます。
 耐圧性能試験はまず、送水口より加圧送水することで、配管内に所定の圧力を3分間かけ、それが維持されているか圧力計を見て確認します。
 次に屋上に上り、消火補給水槽の点検に入ります。高層建造物での消火活動時、ポンプ車から高い場所に水を上げるために、連結送水管の中を水で満たしておく必要があるのです。消火補給水槽内の水はそのときのための、いわゆる「呼び水」の役割を果たします。 この水槽内にポンプ車から送水した水が逆流すると、連結送水管内の放水圧が下がってしまい、充分な放水ができなくなるので、それを防ぐために逆止弁が設置されています。この逆止弁が正常に機能しているかどうかも確認します。 この日、逆止弁が上手く動かず、水が逆流しました。新しい弁に取り替える必要があるとのこと。もしものために耐圧性能試験の必要性を改めて感じました。
 最後に、連結送水管からの漏水がないか確認します。連結送水管には水頭圧(すいとうあつ:筒の中に満たされている水が底辺におよぼす圧力)がかかっており、もしこの圧力が低下すると、どこかで漏水している可能性があります。

■ 安心・安全な生活を支える連結送水管
 約1時間半後、耐圧試験は無事に完了。当日は小雨の降る中でしたが、テキパキと作業は進められていました。普段の生活ではなかなか意識することがなく、一般の人にはその存在すらほとんど知られていない設備ですが、有事の際、消火活動を行う際には必要不可欠なものです。
 私たちの安全・安心な生活を守るためには、連結送水管の点検・整備をきっちりと行うことが大切なのだと改めてわかりました。